日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会や原爆症の認定を求める裁判の弁護団などは29日、厚生労働省で武見大臣と面会しました。
この中で被爆者の側は、医療の特別手当を支給する原爆症の認定制度をめぐって、国から認定されなかった被爆者が裁判で原爆症と認められる判断が相次いでいることから、現行の審査方法に問題があると指摘しました。
そして、被爆者の平均年齢が85歳を超え高齢化が進む現状を踏まえ、「裁判を続けられなくなった被爆者もいる中で、これ以上被爆者を苦しめることは人道的な観点からも問題だ」と訴え、早急に認定基準を見直すよう求めました。
これに対し、武見大臣は「新しい科学的知見がない中で認定基準を見直すことは大変難しい」と述べ、現行の方針に基づき審査を続けていく考えを示しました。
厚生労働省によりますと、被爆者健康手帳を持つ人は去年3月末時点で全国で合わせて11万3649人いますが、原爆症に認定されて医療特別手当を支給されている人は5656人となっています。
協議のあと、日本被団協の田中煕巳代表委員は「丁寧に答えてはくれたが回答としては何もなかったというのが結論だ。それでも大臣に直接会って話ができる機会なので、諦めずに訴え続けたい」と話していました。
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