WMOは19日、去年1年間の世界の気象状況などについてまとめた報告書を公表しました。
それによりますと、去年1年間の世界の平均気温は、産業革命の前に比べておよそ1.45度上昇していることが分かり、過去170年間余りの観測史上、最も高くなったということです。
また、9割を超える海で「海洋熱波」と呼ばれる海水温の高い現象が観測され、各地で海の生態系やサンゴ礁に深刻な影響を与えたとしています。
さらに、北極や南極の海の氷の面積も小さくなり、特に南極では去年2月、人工衛星で観測するようになって以降、氷の面積が最も小さくなったということです。
各国はパリ協定に基づいて、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度に抑えるよう努力することを目標に掲げていますが、報告書では、洪水や猛暑などの異常気象が各地に深刻な影響を与えた一方、目標を達成するための対策の資金が大幅に足りていないと指摘しています。
WMOのサウロ事務局長は「一時的ではあるが1.5度の気温上昇に、これほど近づいたことはない。気候危機は人類の決定的な課題だ」とコメントし、対策の強化を訴えています。
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