北海道に住む80代の女性は、30代のころ、旧優生保護法のもとで知的障害を理由に、人工妊娠中絶と不妊手術を受けさせられたとして、夫とともに国に賠償を求める訴えを起こしました。
夫は5年前に亡くなりました。
2審の札幌高等裁判所は、旧優生保護法が憲法違反だったと認めたうえで「不妊手術を受けたことを裏付ける客観的証拠が提出されておらず、受けたと認めることができない。人工妊娠中絶は経済的な理由で受けた可能性を否定できない」などとして、1審に続いて原告の訴えを退けました。
原告側が不服として上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の岡正晶裁判長は、8日までに上告を退ける決定をし、この夫婦については、訴えを退ける判決が確定しました。
旧優生保護法をめぐっては、最高裁大法廷が7月3日に「旧優生保護法は憲法に違反していた」として、国に賠償責任があるとする統一判断を示していましたが、今回は旧優生保護法に基づく不妊手術があったと認定されず、国の責任が否定されました。
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