中国は去年の8月24日、福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まったことに強く反発して日本産水産物の輸入を全面的に停止する措置をとり、日本政府は「科学的根拠に基づいていない」として即時撤廃を求めています。
処理水の放出については、IAEA=国際原子力機関が、周辺海域でのモニタリングのデータなどもふまえ、国際的な安全基準に合致しているとする報告書を公表しています。
しかし、中国は一貫して処理水を「核汚染水」と呼び、みずからが関わる「独立した長期の国際モニタリング体制」を確立するよう日本側に求めていて、輸入再開に応じる姿勢は見せていません。
日中両政府は去年11月の日中首脳会談で「戦略的互恵関係」を推進することで一致し、ことし1月から双方の専門家を含めた政府間の協議を重ねているものの具体的な進展はみられず、解決に向けた見通しは立っていません。
一方、処理水の放出をめぐっては、中国の国営メディアが日本の対応を批判するキャンペーンを展開し、放出が始まったあと、中国国内の日本人学校に石などが投げ込まれたり、北京にある日本大使館に嫌がらせの電話が相次いだりしました。
今月に入ってもこうした電話の件数は1日あたり2万件あまりにのぼるなど対日感情への影響が続いています。
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