公的年金の財政状況をチェックし、およそ100年後までの給付水準の見通しを示す「財政検証」は、ことし5年ぶりに行われ、夏ごろ結果が公表される見通しです。
この中では、今の制度を続けた場合の見通しに加え、制度を改正した場合の「オプション試算」も示されることになっていて、31日に開かれた厚生労働省の審議会の部会で、どのような「オプション試算」を行うべきか議論しました。
委員からは、給付水準の低下を抑えるため、国民年金保険料の納付期間を5年間延長し、65歳になるまでの45年間にする改正や、厚生年金の加入要件をさらに緩和した場合の試算を示すべきだといった意見が相次ぎました。
また、比較的財政が安定している厚生年金から基礎年金財政への拠出金を増やすことで、年金額の伸び率を物価や賃金の上昇率より低く抑える「マクロ経済スライド」の期間を短縮する案についても試算を求める意見が出されました。
厚生労働省は「オプション試算」を含む財政検証の結果を踏まえ、制度改正の議論を本格化させる方針です。
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