原発事故のあと一時、全域に避難指示が出された浪江町の住民696人は、6年前、東京電力の慰謝料をめぐり、国の「原子力損害賠償紛争解決センター」による「ADR」と呼ばれる和解の手続きが打ち切られたことを受け、国と東京電力に対して1人当たり1210万円の賠償を求める訴えを起こしました。
裁判は去年、2023年6月に結審しましたが、裁判所が2月、「原告の多くは十分な賠償を受けることができておらず、無念な思いを抱えたまま亡くなった人も少なくない」として和解を勧告し、この際、「国は原発の防災対策のあり方を先送りせず真摯(しんし)に検討するべきだった」とも指摘しました。
原告の弁護団によりますと、14日、原告全員について、東京電力がおととし、国が示した賠償基準を超える水準で和解金を支払うことや、直接謝罪することなどを条件に和解が成立したということです。
これを受けて原告側は、国への訴えを取り下げ、訴訟が終わりました。
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