26日に開かれた厚生労働省の臓器移植に関する専門の委員会では、脳死からの臓器移植の現状について意見が交わされました。
この中で、厚生労働省の研究班の調査から、脳死の可能性がある患者は2022年度におよそ4400人いたと推定されるのに対し、法的な脳死判定に進む前に必要な、医師による「脳死」の診断が行われたのは、およそ3割の1300人と推定されるとするデータが示され、委員からは「提供の意思があっても生かされていないケースがあるのではないか」といった意見が出されました。
また、臓器提供の意思を本人や家族が示した場合には、臓器のあっせんを行う「日本臓器移植ネットワーク」のコーディネーターが、家族の対応にあたることになっていますが、委員をつとめる医師からは「コーディネーターが不足していて到着するまでに時間がかかり、患者が入院している医療機関のスタッフや提供の意思を示した家族に負担がかかっている」という意見が出されました。
このほか、医療機関のスタッフ不足などが理由で、移植を見送るケースも出ていることから、会議では、移植の実施体制の見直しが必要だとして、今年度中に方針をまとめることになりました。
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